粘りに粘って　奈労連・一般労組マロン支部が勝利和解【1面】

「賃金未払いは刑事罰を伴う違法なもの」

マロン（株）退職金等請求事件

奈労連・一般労組マロン支部がたたかってきた「退職金等請求事件」が全面解決した。奈良地裁に訴訟をしたのは2017年（平成29年）12月26日。

マロン（株）（本社・東大阪市）はビニール製品、合成皮革製品の製造及び販売等を行う会社で、最盛期は150人を超える従業員を就労させていた。訴えが奈労連に届いたのは1人の解雇事件で、組合員としてたたかい不当解雇を撤回させたが、それで終わらなかった。

別件事件が発生し、全従業員への賃金未払いが3ヶ月続く。退職した人には予定された退職金が正当に支払われない、個人の社内預金も返還されないなど、従業員の怒りがたまっていた。

労使交渉は続くが…

会社は関連会社の代表取締役含め5人の連記で組合へ念書を提出。未払い賃金の支払い、社内預金、退職金、定期的な賃金の支払いなどの約束をした。

請求総額は約1億2000万円だったが、社長は地裁でも異議申し立てを繰り返し続けた。争議の場が高裁に移り、原告組合員がその後、大阪高裁に「和解について」申し立て他のは2020年（令和2年）8月18日。

あきらめなかった団結の力

争議中に鈴木福男社長が病気で亡くなるということもあり、他の職場に転職した組合員が多い中、それでもあきらめずマロン支部に結集し、組合集会での報告、訴状づくりなどに粘り強く取り組んだ。宣伝や裁判所出廷、労働委員会や労働基準監督署への申し立て行動など、数々の支援には奈労連などの仲間が駆け付けた。

報告会では「感無量、本当によかった」「この集まりに来ると仲間に会えることが良かった」「支援していただいたみなさん、弁護士のみなさんに感謝したい」と語られた。

奈良地裁での約1億数千万の労働債権を確保する勝利和解となった。約10年に及ぶマロン支部労働者のたたかいだった。

主張 【1面】

日本政府は核兵器禁止条約への署名・批准を【2面】

コロナ禍と猛暑の中、原水爆禁止2021年世界大会

世界大会には、広島、長崎、韓国の被爆者、オーストリア、マレーシア、メキシコの各国政府代表、アメリカ、イギリス、フランス、ベルギー、ベトナム、韓国など各国の平和運動、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)、国際平和ビューロー(IPB)、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)、アジアヨーロッパ人民フォーラム (AEPF)の代表、国内からは、環境活動家、地雷廃絶日本キャンペーン、宗教者、国会議員をはじめ、草の根運動が結集した。

奈良からもズームで149名参加

8月2日の国際会議から9日ナガサキデー集会まで奈良県原水協梅林事務局長はじめ奈労連松本議長、竹末事務局長らが参加、8日間に9000人、奈良県からは100名を超えるが参加で大きな成功を収めた。核兵器禁止条約発効の下での最初の世界大会として、核兵器禁止条約の歴史的意義を確認、来年の禁止条約締約国会議に向けた世界的行動をよびかけた。

スーパー玉出でパワハラ、社保偽装か【3面】

組合が団体交渉で追及　法的措置も弁護士と協議中

スーパー玉出に働く従業員が、社内での暴力・パワハラ、そして社会保険未加入の偽装問題で解決に向けて団体交渉で経営者を厳しく追及している。その会社とは「トールプラン」と呼び、スーパー玉出(会社名はフライフィシュ)に従業員を派遣している。派遣会社の名前も次々変え、また、1人の従業員に2枚の給与明細書が出されるなど保険金偽装の雇用形態の疑いが強い。会社代理人弁護士からは「従業員及び組合が求める解決案をしめしてください」として早期解決を求めているが、雇い止めを強行しつつ暴力事件にもふたをしようとしていることに、奈労連一般労組と同組合員は怒りでいっぱいだ。法的な処分を含めて弁護士とも協議中である。

ICT教育の現状と課題【4面】

62回奈教組組合学校

吉本憲司委員長は、コロナ感染拡大する中で、ICT教育と教育改革が推し進められていることを現場の実態や教職員の働き方から見つめ問題点を指摘、組合運動につなげていくことの大切さについて基調報告。

「児童生徒に、端末を持ち帰りさせることは、特に小学校低学年は負担が大きい」「パソコンを使うことで、本当の学びになっているのか」やICT教育支援員の配置についてなど、学校現場で起きている状況と問題点が報告された。地域の人の参加もあり、実のある組合学校になった。